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平仮名
文字
字源 部の草書体
JIS X 0213 1-4-56
Unicode U+3078
片仮名
文字
字源 部の旁
JIS X 0213 1-5-56
Unicode U+30D8
言語
言語 ja, ain
ローマ字
ヘボン式 HE
訓令式 HE
JIS X 4063 he
アイヌ語 HE
発音
IPA he̞
種別
清音

ひらがな)、カタカナ)は、日本語音節の一つであり、仮名の一つである。1モーラを形成する。五十音図において第6行第4段(は行え段)に位置する。清音の他、濁音(べ、ベ)と半濁音(ぺ、ペ)を持つ。

概要[編集]

平仮名の「へ」の筆順
片仮名の「ヘ」の筆順
  • 現代標準語の音韻: 1子音と1母音」からなる音。子音は、次の通り。
    • 清音 「へ」: 声帯を近づけてその間を通る息の摩擦音。無声。
    • 濁音 「べ」: 両唇を閉じてから開く破裂音。有声子音。
    • 半濁音 「ぺ」: 両唇を閉じてから開く破裂音。無声子音。
    • 助詞「」は、「」と発音する。
    • 歴史的仮名遣いでは、文節のはじめ以外の「へ」は「え」と発音する。
  • 五十音順: 第29音目。
  • いろは順: 第6位。「」の次。「」の前。
  • 平仮名「へ」の字形: 「部」の草体
  • 片仮名「ヘ」の字形: 「部」の草体の変形
  • 変体仮名(遍) 他にも「弊」「邊」「変」「幣」などからなるものがある。また、「部」の偏にあたる「」からなるものもある。
  • ローマ字
  • 点字:
    「へ」の点字
  • 通話表: 「平和のヘ」
  • モールス信号: ・
  • 手旗信号:4

へ に関わる諸事項[編集]

  • 50音で唯一、平仮名・片仮名の字形が同形となっている。平仮名・片仮名とも、「部」の旁の」(おおざと)を変形させた物である。曲がり方の角度を若干変えてあるか、曲がった後少し曲げるかで平仮名・片仮名の違いを付けているが、それでも字形の変化はほとんど見られない。
    • また、平仮名では「へ」は唯一、元となった漢字の一部から造られている。他の字体は元となった漢字全体の草書体から造られている。
  • 音楽音名で、「ファ」の音 (F) を表す。→ヘ (音名)
  • 音が「」に通じるので、以下のように使用されない場合がある。
  • 現代の日本語では「へ」で終わる単語はごくわずかであり、広辞苑第5版対応の「逆引き広辞苑」によると、「脚辺」(あとへ)のみである。もっとも、一戸二戸など、岩手県青森県に存在するn戸(nは一〜九の漢数字。ただし、四は現行地名に無い)という地名は、すべて「へ」で終わる。
  • 女性層を中心に、手紙の宛名書きなどで「へ」に「〃」を書き足す言葉遊びがある[1]。「〃」は本数を変えたり、ハートマークに置き換えたりすることもある[1]。私信で行われるものであり正確な起源は不明だが、1960年頃には既に地方(新潟)の女学校でも流行していたとの証言がある[2]。成立には複合的な要因が考えられるが、その一つに「補空」や「捨て点」などと呼ばれる書道の習慣が挙げられる[2]。同種の言葉遊びとして、「様」に「〃」を書き足すものや、台湾において「收」(日本語の「へ」と同様、宛名書きに使用される漢字)に「〃」を書き足すものがある[3]
  • 日本のお笑いタレント・春日俊彰オードリー)の持ちギャグの一つに、少しうつむき加減になって、上目遣いで不敵な笑みを浮かべながら客に向かって「ヘッ!」と言うものがある[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b 笹原宏之 (2009年12月24日). “第54回 「サンタさんへ」:「へ」に点々?|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
  2. ^ a b 笹原宏之 (2010年1月21日). “第56回 「点々」のもつ意味|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
  3. ^ 笹原宏之 (2010年1月7日). “第55回 年賀状の「様」にも点々?|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
  4. ^ “【どっちが勝ち組でショー】オードリーVSはんにゃ。危険なキャラ対決!”. Techinsight. (2009年3月8日). オリジナルの2009年4月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090420175310/https://japan.techinsight.jp/2009/03/kasugavskaneda.html 2022年2月14日閲覧。 

関連項目[編集]